要約

  • RIPEのAS31444 aut-numオブジェクトはSEANET-ASという名称で、組織欄はSeaExpress Ltd.を指す。8月28日の取得結果では、合計9,216アドレスの10個のIPv4プレフィックスをオリジネートし、返された327のIPv4 RISピアすべてから観測された。
  • 10ブロックの登録形態は一様ではない。6ブロック、6,912アドレスはSeaExpressを名指しするか説明に含み、3ブロック、1,280アドレスはSeaTelecomを指し、残る1,024アドレスの1ブロックは小規模顧客ネットワークとの説明だけだった。
  • 10組のAS31444/プレフィックス検査はすべてRPKI unknownで、有効なROAは返らなかった。これはinvalidでも、ハイジャックの証拠でも、可用性の評価でもない。

SeaExpressの法人同一性は、プレフィックスごとの権限より確認しやすい。RIPEのORG-SL17-RIPEはSeaExpress Ltd.、ロシア登録番号1027809233649、LIR区分、MNT-SEANETを記録する。同社の法的情報ページもООО «Морской Экспресс»として同じOGRNを掲げる。AS31444の名称はSEANET-ASで、同組織にひも付き、同じメンテナーの下で宣言的なimport/exportポリシーを公開している。

PeeringDBのAS31444レコードは名称をSeaExpress、ウェブサイトをseaexpress.ruとしている。取得した同ドメインのページはJavaScriptでseatelecom.ruへ転送し、転送先はプロバイダーと法人をМорской Экспрессと表示し、seaexpress.ruのメールアドレスを使う。ASN、ドメイン、法人の公開上のつながりは確認できるが、SeaExpress、SeaTelecom Nord-West、各routeオブジェクトの他組織との法的・商業的関係までは証明しない。

自社サイトは事業の輪郭も示す。FTTBまたはFTTPによる法人向けインターネット、ルーティングあり/なしのEthernet回線、同期回線、AS登録支援を案内し、専用回線ページでは最大10 Gbit/sを掲げる。

さらに、自社光ファイバー網を用い、重要区間を冗長化し、幹線を常時監視し、全通信ノードに最長8時間の自律運転が可能なUPSを備え、24時間の技術支援を提供すると説明する。これは事業者自身の主張であり、監査済みSLAではない。公開情報にはノード一覧、物理経路の分離図、共用管路、バッテリー試験、復旧時間分布がない。「最長8時間」は、障害時にすべての重要負荷が8時間動作した証拠ではない。

RIPEstatが示すのは別の層である。取得時点のAS31444は10個のIPv4プレフィックス、9,216アドレスをオリジネートし、327のIPv4 RISピアすべてから見え、観測隣接ASは36だった。IPv6プレフィックスは見えなかった。この数字から顧客数、利用率、全ネットワークからの到達性、アクセス回線の品質は導けない。

10ブロックの公開記録は次の3類型に分かれる。

記録の類型 プレフィックス数 IPv4アドレス数
ORG-SL17-RIPEまたはSeaExpressとの記述 6 6,912
SeaTelecomのORG-SNL56-RIPE 3 1,280
RU-SEANET-ABONENTS/“Clients with small network”、取得結果に組織欄なし 1 1,024

10件のIRR結果はいずれもorigin 31444とMNT-SEANETを含む。公開されている経路方針の記録に共通点があることは分かるが、全アドレスの権原がSeaExpressにあることや、本番BGPを変更できる担当者までは分からない。

185.253.104.0/22は役割の違いを端的に示す。割り当てレコードはORG-SL17-RIPEを挙げる一方、取得したrouteオブジェクトはORG-PL468-RIPEを挙げ、Scrollnet networkと記述し、origin 31444とMNT-SEANETを維持する。複数の欄は見えても、それらを結ぶ契約や運用関係は公開記録だけでは分からない。

RPKIにも境界がある。10組すべてがunknownで、有効なROAはなかった。これは検証器が該当する認可を取得結果から見つけなかったという意味に限られる。経路が無効、漏えい、ハイジャック、または他の認可を一切持たないという意味ではない。IRR、契約、運用権限、ROAは別々の手段である。

結論は単純な安全評価ではない。SeaExpressはAS31444の公開アイデンティティを担い、具体的な光ファイバー、冗長化、電源、支援の主張をしている。同時に、経路面には複数の帰属形態があり、検査では有効なROAがなかった。必要なのは、各プレフィックスの保有者、許可された利用者、IRRメンテナー、BGPオリジン、ROA管理者、物理運用者、顧客向け提供者、事故責任者を分けた台帳である。

一次資料一覧:S01、S02、S03、S04、S05、S06、S07、S08、S09、S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、S20、S21、S22、S23、S24、S25、S26、S27、S28、S29、S30、S31、S32。