要約

  • AFL、Corning、住友電気工業、TeraHopは、短距離Oバンド用途を想定した2x2正方配置の4コア光ファイバーについて、Version 1.0の共通仕様を公表した。
  • 仕様はファイバーの形状、コア別光学特性、クロストークを検証可能にする一方、トランシーバーを明示的に対象外とし、接続部品やリンク受入れの選択も残している。

標準化の成果は、文書の長さではなく、異なる当事者が同じ対象を同じ条件で判定できるかで決まる。SDM4の対象は受動ファイバーである。4社はそこに明確な合格線を置いた。したがって価値は大きいが、その合格線を完成済みのネットワークへ拡張して読むべきではない。

125マイクロメートルの中に置かれた共通座標

4つのコア中心は正方形を構成する。クラッド中心から各軸の正負20マイクロメートルに置かれ、隣接コア間隔は40 ± 1 µm、半径位置は28 ± 1 µm、コア位置誤差は1 µm以下である。クラッド径は125.0 ± 1.0 µmで、通常の単一モードファイバーに近い外形を維持する。着色被覆径は180~220 µmである。

光学特性にも境界がある。1310 nmでケーブル化後の減衰は0.4 dB/km以下、点状不連続は0.1 dB以下。ケーブルカットオフ波長は1260 nm以下である。モードフィールド径、零分散波長、コア別PMDも規定される。隣接コアと対角コアの双方で、1310 nm・1 km換算のクロストークを-40 dB以下に抑える。

これで「4コア」という商品説明が、座標と測定値を持つ受入れ対象になる。ただし、測っているのは4本の導波路を持つ一つの受動部材であり、稼働中の4サービスや4倍の実効容量ではない。

測定値にも経路がある

コアごとの光を入出力するため、仕様はファンイン・ファンアウト、単一モードファイバーとのオフセット融着、または適切な整列手法を認める。FIFOを使えば、評価またはデエンベッドしない限り、そのクロストークも測定値に入る。ファイバー、融着、コネクター、送受信側ファイバー、試験装置のコア依存損失は、結合方向によって結果を非対称にもする。

したがって数値には、試料長、波長、曲げ、入射条件、受光条件、FIFO、接続、平均化、補正という由来が必要だ。SDM4はファイバー試験を比較できるようにするが、その周辺装置をそのまま量産リンク用の標準部品にはしない。

回転方向も別契約である。対称・非対称のマーカーはいずれも許容され、コア番号は送信方向、コネクター、トランシーバー構成などに依存し得る。裸ファイバー同士は回転基準を合わせられるが、コネクター付きアセンブリではキーとファイバー基準の角度関係を決めなければならない。

断面が同じでも、実装時に違うポートへ接続されればリンクは成立しない。

対象外と明記されたトランシーバー

文書はトランシーバー仕様を対象外とする。IM/DDとコヒーレントの双方、OバンドのDR、FR、LR系インターフェースへの可能性には触れるが、ラインレート、波長計画、変調、FEC、送信条件、受信許容値を決めてはいない。

完全なコネクター仕様、FIFO製品条件、アセンブリ極性、コア・レーン対応、施工後の損失予算、受入れ手順、補修方法も未定である。これは欠陥ではなく、受動ファイバー仕様が自らの権限を越えないための境界だ。

「マルチベンダー相互運用性」が意味するのは、まず準拠ファイバー入力の互換性である。端末間の相互運用性は、アセンブリ、光インターフェース、施工、運用手順がそろい、同じリンクで試験された後にのみ得られる。

販売資料の効果は別に検証する

Corningは別資料で、最大4倍の光経路密度、ケーブルとコネクターの75%削減、ケーブル質量70%削減、作業や排出量の低減を掲げる。特定設計で成立し得るが、MSA仕様で測定された結果ではない。

接続数は既存トポロジー、冗長性、ブレークアウト位置、コネクター方式で変わる。作業量は準備、清掃、検査、融着、試験、やり直しで決まる。利用可能容量はトランシーバー、損失・クロストーク余裕、FEC、需要に左右される。ファイバー適合証明をこれらの実績証明として使うことはできない。

小さな共通層を守る

4社は、独自形状が固定化する前に共通の受動部材を定義した。調達者は製品名ではなく形状と限界値を指定できる。将来、ITU、IEC、IEEEの標準化に寄与する可能性はあるが、現時点でそれらの国際標準そのものではない。

公開は選択を可視化する。量産、接続、施工、観測が現実を作る。SDM4はファイバーの最低条件を決めた。光リンクの証明は、その文書が止まった地点から始まる。

出典