要約
- RUM GroupがNorthern Data株を約98%まで取得する計画は、Tetherとの契約に基づく1株当たり2.0281株相当の交換が軸となる。Tetherの13D修正届出書によれば、追加分にはRUM株16,744,307株を取得できるプリファンド・ワラントが充てられる。
- この交換比率は、残る少数株主への現金補償額を決めるものではない。Northern Dataはスクイーズアウトに向けた企業価値評価が未完了だと説明しており、金額の決定、株主総会の決議、商業登記は別々の段階として残る。
98%は価格ではない
Northern Dataの次の節目として示されているのは、企業価値ではなく持ち分比率だ。RUM Groupは9月10日、Tetherから追加株式を取得し、持ち分を約85.2%から約98%に引き上げる見込みだと公表した。同日のNorthern Dataの通知は、9月30日ごろに約98.03%となるとの見通しを示す。いずれも予定を伝える文書であり、記載だけで株式移転の完了が確認できるわけではない。
ここには、相手方も証券も日程も異なる二つの取引がある。既存の取引支援契約では、Tetherが月末時点で追加取得したNorthern Data株をRUMのクラスA普通株と交換する。普通株の発行が難しい場合はプリファンド・ワラントを代わりに交付し、交換比率はNorthern Data株1株につきRUM証券2.0281株分だ。Tetherの13D修正第4号は、同社が9月2日にNorthern Data株8,256,155株の実質的所有権を取得したと記す。RUMは9月10日の発表で、RUM側への交換・決済が9月30日ごろになる見通しを示した。13Dによれば、RUMが対象株を取得した時点で、16,744,307株のRUMクラスA株を取得できるワラントをTetherに発行する義務が生じる。Tetherの実質的な保有とRUMへの決済は別の段階だ。これはTetherとRUMの間の契約上の追加交換であり、残る株主全員に対する現金買い取り価格ではない。
RUMの9月10日発表では、9月30日前後の決済が持ち分を約98%へ押し上げる段階とされた。同社はさらに、残る約2%についてドイツ株式法に基づくスクイーズアウト手続きを始める意向をNorthern Dataへ通知したという。公表された順序は、まずTetherとの証券交換、その後に少数株主株式の移転を求める別の手続きだ。この記事の公開前に確認した公式資料では、9月30日の決済はなお予定として記されている。後続の公式確認なしに完了と扱うことはできない。
少数株主には別の評価手続き
ドイツ株式法327a条以下では、資本の95%以上を保有する主たる株主は、適切な現金補償を条件として、株主総会に残りの株式を移転する決議を求められる。95%を超えることは手続きを使う入口であり、残る株式が自動的に移転したり、金額が確定したりするわけではない。株主総会の決議が必要で、商業登記簿に記載されて初めて移転が効力を持つ。
評価額はまだこれからだ。Northern Dataの通知によれば、Rumble Deutschland AGは未完了の企業価値評価を踏まえて1株当たりの現金補償額を決め、正式なスクイーズアウト請求で別途伝える。327b条は、株主総会が決議する時点の会社の状況を考慮して主たる株主が補償額を定めると規定する。327c条に基づく説明報告書と専門家による妥当性の審査も必要になる。金額が適切でない場合、法は申立てを受けた裁判所による審査も認めている。
RUMは、最終的な現金補償がNorthern Dataの市場価格や、Tetherを含む個別取引価格と異なる可能性を明示した。したがって2.0281という数字を、現金補償額に読み替えることはできない。これはNorthern Data株1株に対して交付されるRUM証券の数であり、その価値はRUM株価やワラント条件で変わる。将来の補償額は別の評価プロセスで決まる1株当たりの現金額で、算定根拠も日程も審査内容も未公表だ。
統合される資産、まだ見えない評価
RUMは6月にNorthern Dataの買収を完了し、当時の持ち分を約85.2%と発表した。買い手は対象を、約22,000基の高性能Nvidia GPUと、収益化されていない200MW超のエネルギー容量を持つインフラとして説明している。これは企業側が示した資産の説明であって、独立した会社評価や将来のキャッシュフロー予測ではない。スクイーズアウトに関する最新の通知にも、評価モデル、1株当たりの補償額、前提条件は載っていない。
この違いは株主の両側に関わる。Tetherは事前に合意した算式で上場親会社の証券を受け取る。一方、Northern Dataの少数株主は、手続きが完了すれば、法定の評価と承認に基づいて現金を受け取ることになる。支配権の集約がかなり進んでも、最後の株価が未確定という状態はあり得る。対象会社の市場価格もTetherとの交換比率も、法定補償額と自動的に一致するわけではない。
この違いだけで、どちらかの取引が公正または不公正だとは言えない。必要なのは別々の問いに答える書類だ。Tetherとの株式移転の完了、正式請求、企業価値評価、専門家の審査、株主総会の決議、登記、支払い条件を順に確認する必要がある。それまでは、約98%はRUMが資本構成のどこまで進む見込みかを示す数字であり、残る株式の価値を示す数字ではない。
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