要約

  • RFC 9907は2026年3月のBCP 216であり、RFC 8407を廃止し、RFC 8126を更新する。YANGデータモデルを含む仕様とIANA管理モジュールについて、著者とレビュー担当者の指針を示す。
  • 重要なのは構文解析を通すことだけではない。コード境界、命名、版の帰属、データストアの意味、例、セキュリティ分析、レジストリ権限を文書で明示することが重要である。
  • YANGデータモデルは管理データ、状態、操作を表す抽象的なモデルであり、モジュールはそれを実装する個別のコードコンポーネントである。両者は同じものではない。

モジュールがYANG 1.1の文法に適合していても、運用者が同じ操作結果を導けるとは限らない。たとえば、設定データと運用状態をNMDAのデータストアにどう対応させるかが不明なら、読者はどのツリーを参照し、どの時点で変更が有効になるのかを一致して判断できない。RFC 9907はそのため、言語の正しさだけでなく、文書と運用意味論をレビュー対象にする。

規範的なYANGモジュールとサブモジュールはコードコンポーネントであり、CODE BEGINSCODE ENDS のタグで明確に区切る必要がある。公開モジュール名は一意でなければならず、IETFの規範的モジュールは ietf- で始め、例示用モジュールは example- を使う。例は構造や利用法を説明するものにすぎず、規範的モジュールとして扱ってはならない。

モジュールのヘッダーもレビューの対象になる。モジュール記述には現在のIETF Trust著作権表示を含め、YANG Parametersレジストリを特定する必要がある。インポートしたモジュールの中に現れない外部参照は、reference 文に置く。公開された各モジュールのrevisionには、そのモジュールを含む文書を指す参照を付ける。これにより、RFCから抽出されたコードは、出所のない断片ではなく、追跡可能な成果物になる。

IANAが管理するYANGモジュールでは、レジストリ手順が権威である。生成されたモジュール本文を場当たり的に編集して、登録、更新、レビューの手順を置き換えることはできない。生成物は表現にすぎず、誰が変更を提案でき、どのように記録し、どの規則で維持するかを決めるのはレジストリ・ポリシーである。これはRFC 8126の一般的なIANA考慮事項を、IANA管理YANGモジュール向けにRFC 9907が具体化・更新した部分であり、新しいワイヤプロトコルではない。

セキュリティ分析では、モデルが公開するデータ、状態、操作について、アクセス制御、完全性、機密性、資源消費への影響を説明する必要がある。レビュー担当者は、NMDA用語で意味を説明できるか、例が例示にとどまっているか、revision参照が実際にモジュールを含むRFCを指すか、IANA考慮事項が実行可能な手順になっているかを確認する。解析成功という一つの結果だけでは代替できない。

出典