要約

  • RFC 9903は2025年12月のIETF Standards Track文書であり、OSPFv2とOSPFv3のMPLS Segment Routingを管理するietf-ospf-sr-mpls YANGモジュールを定義し、RFC 9129のOSPFモデルを拡張する。
  • RFC 9020のプロトコル非依存SRリソースを利用し、インスタンス単位のMapping Serverバインディング、プロトコルごとのSRGB、インターフェースAdj-SIDを表現する。ただし、共通スキーマが二つのOSPFのワイヤエンコーディングを同一にするわけではない。

読み方の要点は、インスタンス、エリア、インターフェースを混同しないことだ。インスタンスではMapping Serverバインディングやプロトコル別SRGBなどの関係を扱う。エリアレベルの設定はそのエリアの全インターフェースでSR-MPLSを有効にし、LSAにSR-MPLS情報を広告する。したがって、エリア有効化は一つのインターフェースだけに閉じた設定ではない。インターフェースレベルでは、ブロードキャストまたはNBMAのマルチアクセス・インターフェース上にある特定隣接のAdj-SIDを表現でき、MPLS上のTI-LFAも表現できる。

RFC 9129はRFC 9903が拡張するOSPF基盤モデルであり、RFC 9020はSRの共通リソースを供給する基盤である。このモデル自体が転送を実行したり、経路を計算したり、ラベルを割り当てたりするという意味ではない。TI-LFAとSRベースのRemote LFAは任意機能であり、remote-lfa-srはRemote LFAが有効な場合に限って適用される。Mapping Serverの利用も必須ではない。

運用状態はOSPFの版ごとに照合する。OSPFv2では、Prefix RangeとPrefix-SIDはExtended Prefix Opaque LSAへ、algorithm、SID/Label Range、SR Local Block、SRMS PreferenceはRouter Information Opaque LSAへ対応する。OSPFv3では、Prefix RangeとPrefix-SIDはExtended Prefix LSA/TLVに分散し、Adj-SIDとLAN Adj-SIDはRouter-Link TLVに、algorithm、range、local block、SRMS preferenceはRouter Information LSAに対応する。Opaque LSA、Extended LSA、各TLVは同じ証拠ではない。

管理経路にも境界がある。NETCONFまたはRESTCONFは安全なトランスポートと相互認証を使う必要があり、NACMは利用者を許可された操作と内容に制限できる。SRの有効化、バインディング、プロトコルSRGB、Adj-SID、TI-LFAへの権限外変更は、通信の中断、転送先の変更、または通信拒否を招く可能性がある。OSPFv2/v3のLSDB拡張状態を読めることは、プレフィックス、アルゴリズム、範囲、ローカルブロック、SRMS情報、トポロジーを攻撃者に示す可能性もある。

運用前の具体的な確認

  1. 対象インスタンスがOSPFv2かOSPFv3かを確定し、版に合うLSA/TLVの読み取りと検証を準備する。
  2. 変更前にインスタンスのバインディング、プロトコル別SRGB、エリア有効化、隣接Adj-SID、TI-LFAとRemote LFAの条件を保存する。
  3. 受け入れ対象のエリアを限定し、エリア設定が全インターフェースへ及ぶことと、影響する隣接を確認する。
  4. 変更後、OSPFv2ならExtended Prefix/Router Information Opaque LSAを、OSPFv3ならExtended Prefix、Router-Link TLV、Router Information LSAを別々に読み戻す。
  5. 相互認証付きの安全なNETCONF/RESTCONFとNACMで、書き込み権限とLSDB読み取り権限を別々に確認する。
  6. 期待する状態と逆操作を版ごとに記録し、SRGB、バインディング、Adj-SID、エリア有効化、TI-LFAの証跡が合わなければ拡大せずロールバックする。

出典