要約

  • RFC 9656 の ietf-microwave-topology は、TEトポロジーにマイクロ波キャリア、集約無線リンク、rlt-mode、上位リンク依存、設定値と運用観測を追加する。
  • 保護キャリア数は意図された構成を表す。状態は各キャリアに属するため、その数だけでは可用性、切替、損失、サービス継続を証明しない。
  • 監査可能なreceiptは、モデルrevision、設定権限、各キャリアのRF観測、集約動作、supporting-link、同一時間帯のサービス測定を結ぶ。

「保護あり」という短い表示

運用画面は無線リンクを一行で示す。その背後では、複数キャリアが帯域を束ね、別のキャリアが保護用に待機しているかもしれない。短い表示は判断を速くする一方、構成と実行結果を同じ緑色に塗りやすい。

RFC 9656 はこの内部構造を ietf-microwave-topology で表す。RFC 8795 のTEトポロジーを拡張し、基盤には RFC 8345 のnetwork topologyがある。共通モデルによって、無線の詳細を知らない上位controllerも依存関係と特性を扱える。

しかし共有できることと、発生したことは別である。モデルが正しくても、故障と切替の間を埋めるのはイベント記録と測定である。

キャリア、無線リンク、上位リンク

マイクロ波キャリアは一つのover-the-air linkで、通常は送受信周波数により定義される。無線リンクは一つ以上のキャリアをbondingまたはprotectionのためにまとめ、上位トラフィックを運ぶ。上位リンクはsupporting-linkとしてその無線リンクを参照できる。

この三層には異なる責任がある。キャリア状態は物理構成要素について語る。無線リンクは構成要素の関係を語る。上位リンクはサービス設計上の依存を語る。依存が存在するだけでは、特定のトラフィックがその時間帯に通過したことも、期待帯域を得たことも示さない。

point-to-point microwave radio linkはLayer 0/1で動く。RFC 9656 は複数無線リンクをまたぐswitchingを定義せず、上位のswitchingは終端後に行われる。複数リンクを一本の経路として描くcontrollerは、複数の終端と依存から推論している。その推論には入力revisionと時刻が必要である。

rlt-mode は構成表であってイベントログではない

rlt-mode はbonded carrier数とprotecting carrier数を記録する。ここから「保護機能を持つ構成」は読める。だが「今回保護された」は読めない。

RFC 9656 ではadministrative statusとoperational statusは集約無線リンクではなく各マイクロ波キャリアに適用される。無線リンクのenable/disableも構成キャリアを通じて行われる。従って、一つの保護キャリアが故障時にoperationalだったか、triggerを受けたか、切替後にトラフィックを運んだかは別途観測しなければならない。

必要なreceiptは、構成キャリア集合、障害前の状態、trigger、判断、切替開始・完了時刻、切替後の各状態、traffic counter、service observationである。構成数だけを保存すると、後から「保護」という言葉の意味を検証できない。

設定値と実測値を混ぜない

tx-frequency と channel-separation は書込み可能なcarrier設定である。actual-rx-frequency、actual-tx-cm、actual-snir、actual-transmitted-level はread-onlyの運用観測である。mw-bandwidth はread-onlyのnominal bandwidthである。

設定周波数は意図、actual frequencyは装置の報告、SNIRは時点付きの無線状態、nominal bandwidthは設計上の特性を表す。それぞれのauthorityが違う。nominal bandwidthを上位のpath computationへ渡すことは有用だが、現在利用可能なthroughputを測ったことにはならない。

RFC 8561 は先行するmicrowave radio link modelと型を提供する。RFC 9656 はそれをトポロジーへ結びつける。関係が増えた分、設定、観測、推論を区別する必要は強くなる。

Controller間の境界は鮮度の境界でもある

RFC 8453 に関係する構成では、physical network controllerが無線情報を持ち、multi-domain service coordinatorが抽象化された帯域や依存を経路計算に使う。役割分担はスケールに必要である。

ただし受信成功は最新性の証明ではない。producer、model revision、collection time、validity interval、last synchronization resultを一緒に渡す必要がある。構文的に完全な古いsnapshotは、現在のair interfaceと衝突しても自らエラーにならない。

Heng Luのreality layers は、schema、設定、device observation、controller inference、service resultに別々の発言権を残す。Minimum Initial Specification は最小共通語彙が分散判断を助ける理由を示し、running-code primacy は標準化後の観測結果を要求する。

YANGのwriteは物理動作を変え得る

rlt-mode、tx-frequency、channel-separationへの不正な変更は、動作を変え、設定を無効にし、運用を停止させ得る。NETCONF、RESTCONF、NACM はtransportとaccess controlを提供する。しかし認証された操作が妥当だったか、結果が安全だったかまでは決めない。

change receiptにはactor、authorization rule、request、prior revision、device acceptance、resulting operational leaves、service effectを残す。IANA YANG Module Names registry はmodule identityを共有可能にするだけで、deploymentや無線結果を認証しない。

役割を分けたまま接続する

network、node、termination point、carrier、radio link、upper-layer linkにstable identityを付ける。model exportにはproducer、revision、時刻、有効期限を付ける。configurationにはactorと結果を、RF observationにはdeviceとsample windowを、capacity conclusionにはtraffic measurementを付ける。

RFC 9656の価値は、これらを同じ構造の中で参照できることにある。最終結論は「モデルが現実である」ではない。「このrevisionの構成を、この運用観測と、このservice resultに照合できる」である。

出典