要約
- RFC 5302 は Level 2 の選択されたプレフィックスを Level 1 に配布し、TLV 128 と 130 の up/down ビットで下降した来歴を示して、Level 2 への再広告を禁じる。
- 旧式機器の安全性は役割で変わる。Level 1 専用の受信機がビットを無視しても決定的な戻り経路は単独では生まれないが、L1/L2 境界が無視すれば階層を一周する道が開く。
動いたことと、戻らないことは別の証明
RFC 1195 の二階層モデルでは、Level 1 区域が Level 2 トポロジーを介して接続される。区域外の宛先には、通常、最寄りの attached L1/L2 ルーターを使う。Level 1 から Level 2 への情報移動は定義されていたが、Level 2 から Level 1 へ区域間経路を下ろす仕組みはなかった。
RFC 5302 は、デフォルト経路より精密な選択を区域内へ提供するため、選択的な下降配布を加えた。同時に、情報が一周できる経路も生まれる。Level 2 で学んだプレフィックスが Level 1 LSP に入り、別の境界が通常の Level 1 起源だと誤解すれば、同じプレフィックスが Level 2 に戻る。
受信側で SPF、RIB、FIB、転送を確認しても、分かるのは利益が実在することだけだ。安全性は、すべての戻り口で再広告が起きないと示して初めて成立する。
予約ビットが運ぶのは方向の記憶
RFC 1195 の TLV 128 は IP Internal Reachability Information、TLV 130 は IP External Reachability Information を表す。Default Metric の最上位ビットは予約され、送信側はゼロにし、受信側は無視する決まりだった。RFC 5302 はそこを up/down ビットとして再定義する。
L1/L2 ルーターが Level 2 から得たプレフィックスを Level 1 LSP に載せるときは一にする。二階層モデルの他のプレフィックスではゼロである。Level 1 から一の付いた経路を学んだ境界は、それを Level 2 へ広告してはならない。この一ビットは、下り方向を経たという来歴と、上へ返さないという規則を結ぶ。
ただし、選択、インストール、転送、到達を証明するビットではない。LSP の認証が正しくても配布方針は誤り得る。正当な装置が、古い実装のまま真正な LSP を生成し、ビットの意味だけを失うことがある。メッセージの真正性と境界判断の正しさを同じ証跡に畳んではならない。
旧実装を一括して「互換」と呼べない
後方互換性は、旧 RFC 1195 実装が予約ビットを無視する性質を利用する。Level 1 専用ルーターは下降経路を受け入れ、区域内経路のように扱える。RFC 5302 は、Level 1 専用機の間では、その挙動だけでループが決定的に成立するわけではないと説明する。
同じ無視が L1/L2 境界で起きると意味が反転する。下降来歴を読めない装置は、経路を Level 1 由来と判断して Level 2 に広告できる。結果として RFC が挙げるのは、ルーティングループ、非最適経路、さらなる不安定性である。
必要なのは全機器の一斉更新ではない。しかし、下降配布を有効にした区域では、すべての L1/L2 ルーターがビットを理解しなければならない。現用の注入境界だけでは不十分だ。待機系、保守時の迂回、通常は経路を広告しない機器も、返送に参加できるなら証明対象になる。
TLV と metric type を一つの分類に潰さない
TLV 128 と 130 はそれぞれ内部と外部の到達性を表す。一方、metric type は internal と external に分かれる。internal metric はドメイン内リンクのコストと比較でき、external metric は直接比較できない。external metric は外部プレフィックスだけに有効であり、TLV 128 と組み合わせた広告は受信側が無視しなければならない。
IS-IS SPF の優先順位では、内部プレフィックスと internal metric を持つ外部プレフィックスは同等である。external metric を持つ外部プレフィックスは、数値にかかわらず、同じ宛先の internal metric より低い。通常の Level 1、Level 2、Level 2 から Level 1 へ下りた区域間経路の順に続き、その後に external metric のクラスが来る。
検証済み Errata 3994 は、external metric を持つ外部区域間経路が Level 1 SPF ではなく Level 2 SPF で導出されると訂正した。単なる「installed」という状態では、この計算根拠を復元できない。元レベル、送信元 LSP、TLV、内部・外部の種別、metric type と値、ビット、SPF の出所、RIB 判断、FIB 状態を別々に残す必要がある。
手動有効化は承認の記録点である
RFC 5302 は Level 2 から Level 1 への広告をデフォルトで無効にし、管理者に手動設定を求めるよう推奨する。この摩擦は、区域、対象プレフィックス、ポリシー世代、全境界の一覧と能力、フィルター、要約、観測期間、ロールバック条件を承認へ結び付ける機会になる。
一台の設定成功を区域全体の証拠にはできない。変更前に全 L1/L2 境界を列挙し、変更中は複数地点でマーク付き経路の下降を確認し、変更後は各境界から禁止された Level 2 広告が出ていないことを確認する。「見つからなかった」は空欄ではなく、収集すべき結果だ。
通常の上り広告にも制約がある。境界は、Level 1 データベースの全プレフィックスを機械的に写すのではなく、実際に転送へ使う Level 1 経路だけを Level 2 へ出すべきである。フィルタリングと要約は階層を通る情報量を決める統制である。
Level 2 LSP では同じビットの扱いが違う
Level 1 で学んだ下降経路を戻さない規則を、どこでも置位経路を拒否する規則へ広げてはいけない。RFC 5302 の二階層モデルでは、Level 2 LSP 内の up/down ビットに運用上の用途はない。そこでは無視してプレフィックスを受け入れることが推奨される。
RFC 7775 は、このモデルに Level 2 inter-area route type が存在しないことを明確にし、RFC 5308 の IPv6 優先順位にあった不整合を修正した。自動判定には LSP のレベルと受信装置の役割が不可欠である。ビット値だけを見た拒否は広すぎ、肝心の境界再広告を見落とし得る。
戻り口ごとの不在を一つの証跡にする
非機密の変更証跡には、プレフィックス、アドレスファミリー、元レベル、送信元システムと LSP、TLV、内部・外部の経路種別、metric type と値、入口のビット、承認済み下降ポリシーと世代、全境界のソフトウェアと能力、Level 1 広告、各境界の観測、Level 2 再広告の明示的な不在、SPF、RIB、FIB、転送結果、ロールバック判断を結合できる。
受信、受理、選択、インストール、広告、抑止、転送、到達は別の出来事である。合計を一つの成功率にすると、短い経路の成果が、別の境界から始まった返送を覆い隠す。
出典
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5302.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5302.txt
- https://www.rfc-editor.org/info/rfc5302/
- https://datatracker.ietf.org/doc/rfc5302/
- https://datatracker.ietf.org/doc/rfc5302/history/
- https://datatracker.ietf.org/doc/rfc5302/references/
- https://datatracker.ietf.org/doc/rfc5302/referencedby/
- https://www.rfc-editor.org/errata/rfc5302
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc1195.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc2966.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5305.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5308.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7775.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5120.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3784.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5304.html
- https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5310.html
- https://www.iana.org/assignments/isis-tlv-codepoints/isis-tlv-codepoints.xhtml
- https://heng.lu/running-code-primary-the-patch-needed-to-preserve-the-internet-original-design/
- https://heng.lu/on-reality-layers-symbolic-power-and-why-clarity-feels-so-hostile/
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