要約
- インドの Central Bureau of Investigation(CBI)は7月17日、Reliance Communications をめぐる事件で第2次起訴状を提出し、Netizen Engineering Pvt Ltd と取締役の Anil Kalya、Tunu Sahu を新たに被告として記載した。
- ₹19,694.33 crore、すなわち1969億4330万ルピーという数字は、FIR に記載された公的銀行・金融機関の融資残高である。裁判所が認定した損失でも、回収見込み額でも、新たな3被告だけに帰属する金額でもない。
- RCom はこれとは別に企業倒産処理手続の下にある。今回の提出は CBI が主張する資金経路の捜査を前進させるが、会社の支配権を変えたり、債権者に現金をもたらしたりするものではない。
第2次起訴状が広げた被告の範囲
インドの Central Bureau of Investigation は7月17日、ムンバイの CBI 事件特別裁判官に第2次起訴状を提出した。そこには、旧社名を Reliance Infocomm Engineering Pvt Ltd とする Netizen Engineering Pvt Ltd と、同社取締役の Anil Kalya、Tunu Sahu が記載された。起訴状が掲げる容疑は、共謀、横領、詐欺である。
これは手続上の進展であって、有罪の認定ではない。CBI は、Reliance Communications Limited(RCom)が Netizen を資金迂回のための通過主体として使い、その取引によって融資銀行に不当な損失を、被告や関連主体に不当な利益を生じさせたと主張している。しかし、その主張は追加捜査が続く刑事手続の中にあり、なお立証を要する。裁判所は Netizen、Kalya、Sahu の刑事責任を判断していない。
今回の提出は、5月29日の第1次起訴状より事件の射程を広げた。第1次起訴状に記載されたのは計16被告で、RCom、同社の上級幹部5人、3銀行の職員10人だった。CBI が資金取引の経路だったとみる企業とその取締役を加えたことで、焦点は当初の貸し手と借り手の関係から、捜査当局が資金の通り道だったと主張する部分へ移った。
₹19,694.33 crore は「融資残高」であって判決ではない
この事件で最も大きく報じられる数字には、厳密なラベルが必要だ。FIR が記録する₹19,694.33 crore は、公的銀行と金融機関全体の融資残高であり、1969億4330万ルピー(₹196.9433 billion)に相当する。第2次起訴状が Netizen を経由したと主張する金額ではなく、報道にも Netizen 固有の取引総額は示されていない。
融資残高は、刑事裁判で認定された損失額でも、金融機関が最終的に計上する貸倒損失でも、なお回収可能な価値でもない。担保の換価、倒産債権の処理、取引の否認、そしてどの申し立てが裁判で立証されるかによって、それぞれの数字は異なり得る。₹19,694.33 crore を確定した犯罪被害額として扱えば、法的にも会計的にも別々の段階を一つの見出しに押し込めることになる。
したがって、当面の経済的リスクを負うのは、債権を回収し終えていない金融機関である。事件は State Bank of India の告発を端緒とし、CBI は以前の公表資料で、より広い融資残高に公的銀行・金融機関17社が関係すると説明した。第2次起訴状は、検察や債権者が参照する証拠の地図を精緻にする可能性があるが、自動的な支払い義務を生じさせず、新たに回収できる資産のまとまりを特定したものでもない。
刑事責任と債権回収は別々の軌道を走る
Reliance Communications 自身の証券取引所向け開示によれば、同社は企業倒産処理手続の下にあり、業務、事業、資産は取締役会ではなく管財専門家である resolution professional が管理している。債務はインドの Insolvency and Bankruptcy Code に基づいて処理される。
この支配構造は重要だ。刑事起訴状が問うのは、誰が取引を指示または可能にしたとされるかである。一方、倒産手続が決めるのは、経営難に陥った企業の財産を誰が管理し、どう分配するかだ。法執行手続が特定の資産を追う場合もあり、一方の手続で得られた情報が他方に役立つことはある。それでも7月17日の提出は、倒産処理計画を変更せず、債権者の回収率も確定しない。
CBI は、他の被疑者や事件の別の側面を調べるため、追加捜査を続けるとしている。同機関の説明では、公的銀行と Life Insurance Corporation of India からの告発を基に、Reliance Communications、Reliance Home Finance、Reliance Commercial Finance、Reliance Telecom に関係する7件の FIR がある。CBI は、より広い捜査を Supreme Court が監督しているとも説明する。これらが示すのは、完結した刑事訴追ではなく、今後も提出が続く手続である。
次に必要なのは言葉ではなく司法上の証拠だ
今後の焦点は四つある。第一に、特別裁判所が起訴状をどう扱い、最終的に公判で審理する訴因を設定するか。第二に、Netizen、Kalya、Sahu がどのような反論を示すか。今回参照した公表報道には、新たな提出に対する3者の回答は含まれていない。第三に、後続捜査が、CBI のいう資金経路を回収可能な価値に結び付ける取引単位の金額、資産、受領者を特定するか。第四に、倒産手続と並行する法執行手続が、実際に金融機関へいくらを戻すかである。
それまでは、結論を狭く保つ必要がある。CBI は RCom をめぐる訴追の対象を広げ、具体的な通過主体の仕組みを主張した。しかし、その仕組みを公判で立証しておらず、₹19,694.33 crore の融資残高全体を新たな被告に割り当ててもいない。起訴状の提出が、そのまま金融機関の回収に変わったわけでもない。

