要約

  • 9月28日の第01版はOPSAWGの作業中のInternet-Draftであり、RFCでもIANA番号の確定通知でもない。
  • 新しい記録方式は、データグラムの境界確認、個々のパケットの処理結果、値の存在、輸出側の省略を別の状態として扱う。

障害調査で「値がない」と読む前に、何の失敗で空欄になったのかを確かめる必要がある。QUICらしいUDP通信を捕捉しても、将来版のパケット境界を見つけられない場合がある。処理できた情報を装置の方針で輸出しない場合もある。どちらも画面上は同じ空欄に見え得るが、ネットワークについて導ける結論は大きく違う。

draft-ietf-opsawg-ipfix-quic-header-01 は、従来の第00版にあった七つの提案中のQUIC情報要素を24に増やし、四つの輸出プロファイルを定義する。回線上の観測、端点によるパケット観測、フロー集約、任意の接続状態だ。回線上のプロファイルでは、完全なUDPデータグラムを運ぶ断片化されていないIPパケットが一つの上位記録になる。データグラム内に複数のQUICパケットが連結されていれば、識別できたものを順序とオフセットを保つ子記録で示す。子を別々の上位記録に切り離すと、どのデータグラムで一緒に見えたかが失われる。

この版が加えた状態は、単一の「成功/失敗」ではない。親側のquicDatagramParseStatusはデータグラム内の境界をどこまで列挙できたかを示す。子側のquicProcessingStatusはそのパケットの処理結果を記す。一方、quicExportFlagsは利用可能だった情報を現場の輸出方針で伏せたか、装置側の容量・サイズ制限で切ったかを知らせる。たとえばパケットの境界は明らかでも中身の処理が途中で止まることがある。境界の解析が完了していても、輸出記録に項目が出ないこともある。状態を上下関係のある信頼度として並べるのは誤りだ。

さらに、固定のIPFIXテンプレートは指定した欄を各記録に持たせる。quicFieldPresenceのビットが立っていなければ、ゼロや空の値は読んではいけない仮置きだ。ビットが立っていれば、同じゼロが実際の値であり得る。空の接続IDやTokenを扱う際、この違いは見た目以上に重要になる。記録の解釈を明確にするだけで、値の出所が認証されたことにはならない。

未知のQUIC版にも限界がある。共通の不変部分を読めても、その先の境界が決まらない場合、第01版は先に確定できたパケットを残し、途中で止まったことを示す。後続の連結パケットがなかったと断定してはならない。また、回線観測のプロファイルはパケット番号やフレーム種別、ストリームIDを輸出しない。記録にない項目を通信そのものの不在と取り違えないための境界である。

新しい情報要素はなお提案段階で、番号も未確定だ。どこかの事業者がこの方式を既に実装したことや、実際の欠測が解消したことを示す資料ではない。

出典