要約
- NokiaはCognitive Operationsの商用提供を発表した。現場通信、エッジ計算、運用アプリケーションを組み合わせる製品群だ。
- 鉱山での焦点は処理の配置にある。すべての業務がクラウドから独立することや、費用削減の実績を示した発表ではない。
鉱山の設備が発するデータには、届くだけでは役に立たないものがある。映像や機械の状態を示す値は、必要な場面で判断に使えてこそ意味を持つ。Nokiaの新しい提案は、その判断材料を作る処理の一部を設備の近くに置くものだ。
Nokiaは9月10日の発表で、Cognitive Operationsが商用提供段階にあると説明した。対象には鉱業が含まれ、鉱山向けアプリケーションは顧客のローカルIT環境、またはMicrosoft Azure Marketplaceを通じて導入できるとしている。これは提供形態についてのメーカーの説明であり、導入に要する日数を実測した結果ではない。
通信網を敷いて終わりではなく、計算基盤と運用ソフトまで一つの提案にまとめた点が重要だ。関連製品のCognitive Edge NodeにはRajantのInstaMeshも組み込まれる。ただし、接続手段が複数あることから、あらゆる業務の無停止稼働まで導くことはできない。
画面の統合と処理の配置を分けて考える
Cognitive Operationsの製品説明には、資産や端末の情報を共通の運用画面に集め、デジタルツインや通信品質の表示に利用する構想が示されている。点在するデータを作業の状況と結び付ける価値はある。一方、同じ画面に表示される情報でも、処理する場所や更新時点が同じとは限らない。
Cognitive Edge Nodeの説明は、複数の構成、ローカルで動くコンテナ化された処理、遠隔更新に言及する。GPUによる高速化はオプションだ。携帯通信やWi-Fiのほか、CAN Busなどの産業用インターフェースも挙げられている。「衛星接続に対応できる」という設計上の記述は、すべての納入機に衛星サービスが付くという意味ではない。
例えば映像の分析を近くで行えば、有用な結果を得るまでに遠方へ送るデータを減らせる場合がある。ここに、一部の処理でバックホールへの依存を弱める仕組みがある。しかし、中央の運用画面、更新作業、その先の業務全体が外部接続なしでいつまでも動くことまでは確認できない。評価する単位は個々の処理であるべきだ。
保守対象も現場へ広がる
計算処理を車両の近くに移すと、ソフトの版、既存機器との互換性、現場のハードウェア状態も継続的な管理対象になる。共通基盤が調整を簡単にする可能性はあるが、その効果の大きさは今回の資料では分からない。
確認した発表と製品ページには、新製品を本番運用する鉱山の顧客名、鉱業向けの価格、停止時間の削減を示す独立した測定結果はない。商用提供の開始と、鉱山全体での投資効果の立証は別の段階だ。
導入の説得力は、ローカル処理で具体的に何の制約が軽くなり、そのために増えるソフト保守をどう吸収するかにかかる。より多くのデータを運ぶだけでなく、必要な情報をどこで作るのが合理的か。Nokiaの組み合わせ型の提案は、その問いを鉱山の調達に持ち込む。
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