要約

  • 製品の選択肢をまとめることは、すべての提供環境を同じにしなくても調達の利便性につながり得る。
  • 連邦機関への追加販売では、機能、提供環境、顧客の用途を対応させる説明が重要になる。

契約窓口が一つになれば、購入する側の仕事も一つにまとまるのか。NetSPIとSynackの統合計画は、その違いを考える材料になる。両社は9月2日に計画を発表し、条件の充足や承認を前提に10月の完了を見込む。発表資料が示すのは事業を組み合わせる機会であり、個々のサービスをすでに一体で提供しているという事実ではない。

Synackの6月24日付製品表には、Sara TriageをFedRAMP環境では提供していないとの記載がある。対象は特定の機能だ。Sara全製品やAI機能全般が使えないと読み替えることはできず、統合計画で新たに生じた制約でもない。

一方、FedRAMPの公式登録情報には、Synackの認証済みサービスがClass C(Moderate)として載っている。製品表と登録情報は矛盾しない。企業が販売する選択肢の集合と、認証の対象となるサービスは、そもそも記述している範囲が違う。

選びやすさを売れるか

統合後の提案が分かりやすければ、顧客は複数の業者を比較したり、検証したい内容を繰り返し説明したりする負担を減らせる可能性がある。そのために全機能を同一環境へ移す必要があるとは限らない。提供方法が異なっていても、違いが明確なら組み合わせて選べる。

例えば、既存サービスに新しい検証機能を追加する提案を考える。何が従来の範囲に含まれ、何に別の取り決めが必要なのか。結果はどこへ送られ、誰が利用条件を確認するのか。これは仮定の調達場面であって、両社の実際の契約に不備があるとの指摘ではない。

また、FedRAMPを連邦機関のあらゆるインターネット利用に一律適用するのも正確ではない。現行の対象範囲の指針では、機関が具体的な用途を判断し、対象外のケースも設けられている。ある環境で未提供というだけで、商用版を連邦機関が一切使えないとは結論づけられない。

統一ブランドより、明確な仕様

制度が製品の進化を全面的に止めるわけでもない。2月の公式更新は、変更管理とリスク管理を維持しつつ、重要な変更について任意の通知方式を導入した。Synackがこの方式を利用していると確認できたわけではない。同時に、改良のたびに必ず新たな事前許可が要るとも決めつけられない。

市場として注目したいのは、販売する機能を「この顧客に、この条件で提供できるサービス」へ具体化する力だ。ブランドの統一は共同仕様の整備より先に進むこともあり得る。今回参照した資料だけでは、その共同仕様がすでに完成したとはいえない。

統合によって選択肢が増え、しかも選びやすくなるなら、顧客にも価値がある。機能一覧が長くなるだけでは、その効果はまだ分からない。追加販売の手応えは、項目数よりも顧客が内容を理解して受け入れられるかに表れるだろう。