要約

  • Jio Platforms の2027年度第1四半期の総収入は前年同期比12.0%増の₹45,961 crore、営業収入は11.8%増の₹39,173 crore、EBITDA は15.1%増の₹20,865 crore となった。
  • 税引き後利益は前年同期比9.2%増の₹7,764 crore だったが、前四半期比では2.2%減少した。資産計上された5G 設備に伴う減価償却費と金融費用が、営業段階の増益分をより多く吸収した。
  • Reliance Jio は6月末時点で5億3,330万人の顧客を抱え、このうち約2億8,500万人が5G 利用者だった。ARPU は前年同期比3.3%増の₹215.6で、顧客数やデータ通信量ほどの伸びには至らなかった。

Jio Platforms Limited は6月四半期に収益性を高めたが、ネットワーク規模の拡大を最終利益に変える道筋はなお平坦ではない。Reliance Industries Limited 傘下の同社は、2027年度第1四半期に総収入₹45,961 crore、EBITDA₹20,865 crore を計上した。EBITDA は前年同期比15.1%増えたのに対し、税引き後利益の伸びは9.2%にとどまり、₹7,764 crore となった。

この差は重要だ。決算には二つの異なる動きが同居している。加入者の増加、利用量の拡大、デジタルサービスの構成比上昇は営業レバレッジを生んだ。その一方、すでに実施した5G 投資の負担は、減価償却費と金融費用として EBITDA より下の段階に表れている。事業運営上の採算は改善しているものの、会計上の利益は同じペースでは増えていない。

売上高は伸びたが、利益率の分母には注意が要る

Jio は総収入と営業収入の両方を開示している。総収入は前年同期比12.0%増の₹45,961 crore で、2026年度第4四半期比では2.3%増だった。営業収入は前年同期比11.8%増の₹39,173 crore、前四半期比では2.4%増となった。

会社が示す53.3%の EBITDA マージンは総収入ではなく、営業収入を分母にしている。前年同期の51.8%から150ベーシスポイント、3月四半期の52.4%から90ベーシスポイント改善した。EBITDA の前年同期比増加額は₹2,730 crore で、税引き後利益の増加額₹654 crore を大きく上回る。

Reliance は増収の理由として、加入者シェアの拡大、ARPU の自然増、デジタルサービスを挙げた。コンテンツ、クラウドコンピューティング、モノのインターネット、マネージドサービスがけん引し、デジタルサービス収入は前年同期比20%増えた一方、接続サービスは11%増だったという。ただし各事業の収入額は開示されていないため、成長率の高いデジタル分野が連結増収のうちどの程度を担ったのかは資料から判断できない。

顧客規模の伸びに、1人当たり収入が追い付いていない

Jio Platforms の通信事業を担う Reliance Jio Infocomm Limited は、6月末時点で5億3,330万人の顧客を抱えた。前年同期から3,520万人、3月末から890万人増えた。月次解約率は前年同期の1.8%から1.6%へ改善した。

ARPU は前年同期の₹208.8、2026年度第4四半期の₹214.0から₹215.6へ上昇した。前年同期比では3.3%増、前四半期比では0.7%増にすぎない。Reliance は、加入者構成の改善と季節要因が押し上げる一方、固定ブロードバンドの販売促進策が一部を相殺したと説明した。この比較からは、大幅な単価改定よりも顧客数と利用の増加が成長の主因だったことがうかがえる。

データ通信量は前年同期比26.9%増の694億ギガバイトに達し、顧客1人当たりの月間平均利用量は43.7GB となった。通信量は ARPU をはるかに上回るペースで伸びている。利用増は顧客維持や将来のサービス販売を支え得るが、追加トラフィックを運ぶネットワーク費用が収入より速く膨らまないようにする必要がある。

5G と固定無線が顧客基盤を厚くする

Jio によると、6月末の5G 加入者は約2億8,500万人で、1年間に7,300万人増えた。投資家向け資料では、モバイル顧客の57%が5G を利用し、5G の通信量は4G のおよそ1.5倍とされた。

固定ブロードバンドの接続数は2,860万件となり、12カ月で860万件増えた。このうち JioAirFiber は約1,400万件で、年間の固定ブロードバンド純増分の4分の3超を占めた。固定無線はモバイル網の設備を再利用し、家庭向け接続サービスを販売するもう一つの手段になる。ただし四半期資料には、AirFiber の収入、顧客獲得費用、基盤ネットワーク投資に対する収益率が開示されていない。

したがって、利用拡大を示す営業上の証拠は強い。利用者は増え、解約率は下がり、データ通信量は伸び、固定ブロードバンドの基盤も広がった。一方、増分採算の開示は十分ではない。Jio は5G や固定無線の各顧客群が生み出す収入やキャッシュリターンを公表していないためだ。

EBITDA から最終利益への橋渡しに、投資負担が表れる

EBITDA の前年同期比増加額₹2,730 crore から、減価償却費の増加額₹979 crore、金融費用の増加額₹875 crore、税負担の増加額₹222 crore が差し引かれ、税引き後利益の増加額は₹654 crore に縮小した。減価償却費は前年同期比15.1%増の₹7,458 crore、金融費用は41.6%増の₹2,980 crore となった。Reliance は、いずれの増加も5G 資産の資産計上に明確に結び付けている。

前四半期比の橋渡しはさらに鮮明だ。EBITDA は2026年度第4四半期から₹805 crore 増えたが、減価償却費は₹302 crore、金融費用は₹717 crore 増加した。税負担が₹43 crore 減ったにもかかわらず、税引き後利益は₹171 crore、率にして2.2%減少した。

これは会計上の損益をつないだ計算であり、キャッシュフローを示すものではない。減価償却費は当期の非現金費用だが、設備投資は投資キャッシュフローに計上され、金融費用にも独自の支払い時期がある。Reliance はスペクトラムを除くグループ連結の四半期設備投資を₹38,682 crore と開示したものの、Jio 単体の設備投資、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローは四半期資料で示していない。従って、公表値から言えるのは利益率と最終利益への転換についてであり、ネットワーク規模が特定額のフリーキャッシュにすでに転換されたとまでは結論できない。

今後の焦点は、加入者増を損なわずに ARPU を加速できるか、デジタルサービスが開示上もより大きな利益貢献を示すか、そして5G 整備が成熟するにつれて金融費用の伸びが鈍化するかである。Jio の2027年度第1四半期決算は営業レバレッジを示した。同時に、その規模を築くための資本負担が EBITDA の下でもなお経済的な重みを持つことを示している。

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