要約

  • IESGは2026年9月2日、IPv6 Neighbor Discovery YANGモデル第08版のLast Callを開始した。期限は9月16日であり、Proposed Standard候補にすぎず、承認済みRFCや実装実績ではない。
  • retrans-timerはアドレス解決、NUD、DADの三用途で共用される。counter64の値だけでは初期時点も因果関係も分からず、設定世代と観測区間を別に結ぶ必要がある。

提案されたietf-ipv6-ndは、インターフェースのIPv6ツリーにNeighbor Discoveryの管理項目を追加する。対象はアドレス解決、Redirect、proxy Neighbor Advertisement、NUD、DAD、Enhanced DADである。一方、Router/Prefix Discovery、静的neighbor、SLAACは既存モデルに残る。

この分担は重複を避けるが、運用者には合成責任を残す。既存IPモデルのdup-addr-detect-transmitsを0にするとDADは無効になる。新ツリーでEnhanced DADが有効でも、基礎値を見なければ実効状態を誤読できる。

さらに重要なのがretrans-timerである。既定値は1000ミリ秒。一つの値が、リンク層アドレスを探すNeighbor Solicitation、neighborの到達性を再確認するNUD、仮アドレスの重複を調べるDADを同時に調整する。

三つは同じパケット形式を使っても、失敗の意味が違う。値を大きくすれば初回通信、NUDの証拠取得、DAD完了がそれぞれ遅れ得る。小さくすれば三経路の送信負荷が増え得る。管理トランザクションの成功は値の受理を示すが、後の遅延原因までは示さない。

reachable-timeは到達性確認の有効期間を決める。大きすぎる値は偽装されたNeighbor Cacheの影響を長引かせ、小さすぎる値は不要なNUDを増やすと草案は警告する。これはneighborの身元証明ではなく、過去の正の観測をいつまで使うかという判断である。

redirectproxy-naは既定でfalseだ。Redirectは別のnext hopを知らせ、proxy NAはrouter自身でないIPv6宛先にrouterのリンク層アドレスで応答する。有用性と同時に、誤った書き込みが転送方向や代理表現へ及ぼす範囲も広い。

Enhanced DADのauto-resolveでは、重複検出後にログ、破棄、送信元hostのblockが可能になる。重複を見たことと、悪意ある主体を特定したことは等しくない。観測、帰属、制裁を一つの自動化ラベルへ圧縮してはならない。

read-onlyの統計はNS、NA、RS、RA、Redirectの入出力とdropを数え、複数のdrop理由も示す。しかし型はcounter64である。その定義では初期値がなく、単一値は一般に情報を持たない。再初期化やwrap、その他のdiscontinuityもあり得る。第08版の統計ツリー自身は最終discontinuity時刻を隣に置いていない。

機器が別ツリーにboot時刻を持つ可能性はある。だから必要なのは「無い」と断言することではなく、明示的にjoinすることだ。二つの値、poll時刻、同じinterface、同じ設定世代、再起動情報がそろって初めてdeltaになる。それでもdeltaは分類結果であり、原因や利用者影響ではない。

dynamic neighborのageは最後の到達性確認からの秒数で、static entryでは無視される。若い値は最近の確認を示すだけで、認証、所有、現在のdeliveryを保証しない。YANG validatorの0 error/0 warningもschema層の結果である。

出典