要約
- IGF事務局の9月8日付資料は、適格な提案359件に基づく80件の初期案を示している。最終採択の証明ではない。
- 提案を採点する際の配点と、その後に順位を組み合わせる60対40の重みは別のものだ。
- テーマ別グループによる入れ替えが残る以上、初期案から承認までの変更理由が重要になる。
採点表が公開されても、会議の議題がどう決まるかをすべて説明できるとは限らない。IGFのプログラム策定資料は、その間にもう一つの工程があることを示した。個々の提案の評価と、会議全体を組み立てるための順位付けである。
最初の評価では、内容30%、テーマ20%、多様性20%、政策上の問い15%、参加とハイブリッド運営の方策15%という配点を使う。個人の点数を平均・集約し、全体順位とテーマ内順位を作る。その後のモデルは、正規化した全体順位を60%、テーマ内順位を40%として組み合わせる。60対40は、内容と多様性の配点を変更した数字ではない。
順位だけでは議題は完成しない
9月8日付のワークショップ概覧には、359件の適格提案から80件の初期案を作ったとある。内訳は協力・政策32件、革新・経済・持続可能性23件、権利・倫理・社会15件、インフラ・安全性・アクセス10件だ。資料は固定的なテーマ枠ではないと明記する。
テーマ別グループは、内容の不足や全体の整合性を考慮して限定的な入れ替えを行える。統合は例外とされる。インフラ分野の推薦案では、提案92番を287番に替えることが記録されている。これだけで不適切な介入を疑う理由にはならない。ただし、モデルの出力と推薦案を同じものとして扱えないことは分かる。
今回確認した資料には、全件を再計算できるだけの元の採点表、正規化の詳細、同順位の処理がそろっていない。また、MAGによる承認を「次の工程」とする資料は、承認済みである証拠にはならない。9月7~9日の会議日程も予定であり、決定記録ではない。本稿は日付のある初期案と推薦内容を対象とし、最終採択を報じるものではない。
登壇者の多様性とは分けて考える
概覧では、政府による提案は1件だが、政府の登壇者記録は50件ある。民間部門では提案5件、登壇者記録53件となる。企画する立場と登壇する立場は違う。後者の記録数を、重複を除いた人数や実際の参加者数としても扱えない。
別形式のセッションもまだ提案段階の集計だ。その幅広さを、最終プログラムの実績に先取りして加えるべきではない。
運用者にとっては、何が議論に入るかが問題になる。RIPE NCCの9月7日付意見書は、IPv6、経路制御の安全性、DNS、RPKIなどの実務経験を政策論議につなぎ、既存の仕組みを活用するよう提案した。意見の提出は、MAGによる採用と同義ではない。
IGF自身の説明によれば、フォーラムは交渉による結論を作る場ではなく、公的・民間の意思決定者に知見を届ける場だ。それでも議題の選択は、限られた関心を配分する。その権限とネットワークを運用する権限を混同せず、まず選考の過程を検証可能にすることが重要である。
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