要約

  • B2Bの総入金額は2026年度第2四半期に422.53億ドルとなり、前年同期比22.0%増えた。アクティブ口座は9.4%増の198万、購買額は1.3%増の20.25億ドルだった。
  • 総入金額は口座商品にロードされた資金を測る。購買額はATM引き出しに加え、提携先がインターチェンジを受け取りGreen Dotが管理料を得る一部BaaSプログラムの取引を除外する。両者を割って利用率を出すことはできない。
  • B2B売上高は28.6%増の4億4,843.5万ドル、費用は29.7%増の4億1,599.6万ドル。処理費は35.9%増え、開示値から計算したセグメント利益率は約8.0%から7.2%へ低下した。
  • 計画中の取引では、非銀行FinTech事業をSmith Venturesが、Green Dot BankをCommerceOneが取得し、銀行がFinTechの独占的スポンサーになる。未開示の契約条件が、分離後の利益と規制責任を決める。

まず「422.53億ドル」が何ではないかを確かめる

Green Dotがいうgross dollar volume(GDV)は、直接入金その他の経路から口座商品へロードされた資金の総額である。2026年4〜6月期のB2B GDVは前年の346.20億ドルから422.53億ドルへ増えた。

これはGreen Dotの売上高ではない。四半期末に残った預金でもなく、カードで使われた総額でもない。期間中に入ってきた資金なので、同じ四半期内に買い物、現金引き出し、送金などで外へ出ることもある。残高を知るには、別の入出金ブリッジが必要だ。

これに対し、開示購買額は20.00億ドルから20.25億ドルへ増えた。GDVとの差額を「使われなかった資金」と呼ぶのは誤りであり、購買額をGDVで割って転換率を作るのも誤りである。

購買額の定義には二つの重要な除外がある。ATM引き出しは含まれない。さらに、一部のBaaSプログラムでは、提携先がインターチェンジを受け取り、Green Dotはプログラム管理サービス料を得るため、その取引量もGreen Dotの購買額から除かれる。

したがって、提携先のカードで実際に決済が起きても、20.25億ドルの側に入らない場合がある。GDVは資金流入を見る指標、購買額はGreen Dot自身のインターチェンジを分析するための限定された指標だ。二つは同じ母集団を追う入口と出口ではない。

口座数より速い入金の伸びは、契約構成を変えた

B2Bのアクティブ口座は181万から198万へ9.4%増えた。GDVの伸びはその倍を超える。Green Dotは、新規・既存利用者の成長が、1口座当たりのGDVは大きいが同社に同程度のインターチェンジを生まない一部BaaSプログラムに集中したと説明する。

だからといって、四半期GDVを期末口座数で割り「顧客単価」とすることはできない。口座数は一時点、GDVは期間のフローであり、開設・閉鎖や提携先別コホートは開示されていない。ただし、成長の中心が従来型カード利用と異なる経済性を持つことは分かる。

Green Dotはその代わりに管理料を受け取る。B2Bセグメント売上高は9,978.5万ドル増の4億4,843.5万ドルとなり、28.6%伸びた。会社によれば、ある重要なBaaS提携先が伸びを主導し、それ以外のBaaSチャネルも1年以上で最も強い成長を示した。

ただし、その重要先の名称、GDV、預金、除外購買額、インターチェンジ、料率、処理費、貢献利益はこの開示から分からない。「重要」という表現は集中を示すが、契約の採算表ではない。

処理費の増加は売上増をほぼ追いかけた

B2B処理費は2億7,343.4万ドルから3億7,166.7万ドルへ増えた。増加額は9,823.3万ドル、率にして35.9%である。支払ネットワーク、口座記録と取引承認を担う外部プロセッサー、口座の発行・処理を担う外部銀行への料金が主な中身だ。

これらの費用は口座数やGDVとともに動く。大きなフローは管理料収入を増やす一方、それを運ぶための費用も増やす。B2B総費用は29.7%増の4億1,599.6万ドルとなり、売上高よりわずかに速く伸びた。

セグメント利益は2,798.0万ドルから3,243.9万ドルへ15.9%増えたので、成長が無価値だったわけではない。ただし、開示値から計算した利益率は約8.0%から7.2%へ低下する。この比率は会社が別途公表したものではなく、本稿の計算である。

決算資料も、重要な提携先の成長を中心とする収益ミックスにより、BaaSマージンが小幅に低下したと説明する。第1四半期の10-Qはさらに踏み込み、一部のBaaS契約は利益が概ね固定されているため、売上高と同じ速度で利益が拡大しないと述べている。

固定利益型の契約は必ずしも悪い契約ではない。安定した流量、提携先獲得リスクの低下、他サービスへの入口をもたらす可能性がある。だが、GDV、売上高、利益が同じ比率で増えるという期待は成立しない。

3月にも同じ乖離があった

この構造は第2四半期だけのものではない。第1四半期のB2B GDVは前年同期比19.2%増の393.38億ドルだったが、購買額は3%減った。当時もGreen Dotは、同社に同程度のインターチェンジを生まず、管理料で収益化するBaaSプログラムを理由に挙げていた。

前四半期比では、GDVが29.15億ドル増え、アクティブ口座は191万から198万へ、購買額は19.17億ドルから20.25億ドルへ増えた。活動が継続していることは示すが、季節調整済みの比較でも同一コホートの追跡でもない。

二四半期続いたことで、問題は一時的な驚きではなく、計測対象の変化になった。提携先がインターチェンジを受け取るプログラムが拡大すれば、Green Dotの購買額はBaaS全体の利用をますます捉えにくくなる。一方、Green Dotのインターチェンジを見る目的には依然として有効である。

必要なのは差額から除外取引を推定することではない。契約類型ごとに、GDV、含まれる購買、除外される購買、管理料、処理費を並べる開示である。

連結インターチェンジの減少にはConsumerも入っている

Green Dot全体のインターチェンジ収入は5.9%減の4,418.6万ドルだった。会社は、実効料率が横ばいのなか、連結購買額が6%減ったためとする。この減少をB2B契約だけで説明することはできない。

Consumer Servicesでは購買額が10.4%、アクティブ口座が12%、売上高が9%減った。口座維持、ATM、インターチェンジの各手数料が減り、当座貸越サービスの利用増が一部を補った。

つまりGreen Dotには逆方向の二つの事業がある。提携先経由のB2BはGDVと管理料を増やす。消費者直販は口座と従来型手数料を失う。連結の数字は両方を含むため、一つの原因へ還元できない。

連結営業収益は18.2%増の5億9,588.3万ドルだったが、営業費用は21.6%増の5億9,664.4万ドル。GAAP純損失は208.7万ドル、調整後EBITDAは12%減の4,017.6万ドルだった。税還付事業の計上時期とConsumerの逆風も比較に影響したと会社は説明しており、BaaSミックスだけが利益減の原因ではない。

分離後はスポンサー銀行契約が中核になる

現在のGreen DotはFinTechと銀行を一つの連結範囲に持つ。しかし提案された取引では、Smith Venturesが非銀行FinTech事業を取得して非公開化し、CommerceOneがGreen Dot Bankと関連事業を取得する。統合後の銀行はFinTech事業の独占的スポンサー銀行になる予定だ。

第2四半期資料の時点で株主承認と米国反トラスト待機期間の早期終了は得ていたが、銀行規制当局の承認などが残っていた。取引は未完了である。Green Dotはそのため2026年業績予想を出さず、決算説明会も開かなかった。

現在は銀行の利息収入、提携先との利息分配、管理料、処理費、規制対応費を一つの企業内で調整できる。分離後、その一部は異なる所有者間の価格になる。スポンサー料、コンプライアンス分担、資本・流動性、データ権、サービス水準、損失負担、解約権が採算を左右する。

独占関係は運用を安定させる半面、相互依存を強める。どちらかが技術、規制対応、口座運用への投資を抑えても、もう一方は顧客口座を即座に別銀行へ移せない。

422.53億ドルが証明する範囲

前向きな事実は明確だ。Green DotはB2B口座への資金流入を増やし、口座数、管理料収入、セグメント利益を伸ばした。縮小する消費者直販に対し、BaaSが成長面を提供している。

同時に、購買額は全プログラムの利用を含まず、処理費はB2B売上高より速く増え、計算利益率は低下した。重要提携先が構成を左右し、今後は未開示の独占スポンサー契約が利益配分を決める。

入金、計上購買、提携先のインターチェンジ、Green Dotの管理料、処理費、預金運用益は別々の証憑である。成長は実在する。しかし、誰が価値を得るかはフローの大きさではなく契約によって決まる。

出典