要約
- 元本14億ドルのゼロクーポン転換社債交換は、当初は全額を株式で決済し、株数の一部を35取引日の平均VWAPで決める設計だった。
- 修正後は約5550万株と3億5840万ドルの現金となる。今回の追加発行は止まるが、5550万株による希薄化は残る。
- 6月5日時点の発行済み4億4869万1257株を基準にすると、新株は約12.37%に当たる。これは日付のある分母を使ったBTW試算である。
- 決済後も2030年債と2032年債が元本合計28億ドル残る見込みだ。元の算定式が最終的に何株を生んだかは非開示で、回避株数は計算できない。
株価の残り時間を現金で買い取る
GameStopの8月31日発表は、2030年満期の0%転換社債約4億ドルと2032年満期債10億ドルの交換条件を変えた。当初の発表では現金を使わず、8月3日から35取引日の平均出来高加重価格を一部用い、下限価格付きで株数を決める予定だった。
修正契約は未経過の算定期間を終了する。経過済みの部分は株式、残りは修正前最終取引日の価格に基づく現金となった。会社によれば、約5550万株が修正後対価のおよそ73%、3億5840万ドルが約27%であり、今回の交換について追加株式は発行されない。
この表現は今回の契約だけに効く。既に渡す5550万株を取り消すものではなく、他の転換証券の潜在株数も消さない。決済予定日は9月23日ごろから9月3日ごろへ早まり、通常の条件を満たす必要がある。短くなったのは不確実な時間であり、コストではない。
見える希薄化、見えない比較対象
第1四半期Form 10-Qは、6月5日の発行済みA種普通株を4億4869万1257株とする。約5550万株はその12.37%に相当する。単純に足せば約5億419万株となり、交換株は約11.0%を占める。いずれもBTWの機械的な計算であり、決済日の株数や希薄化後EPSの分母を示す会社予想ではない。
重要なのは、元の35日間を完走した場合の最終株数が公表されていない点だ。残りの日々の算定結果と完全な契約計算がなければ、「何株を回避した」と断定できない。73対27という比率も、新旧株数の差ではなく、修正後対価のおおよその内訳にすぎない。
流動性の大半は現金ではない
GameStopの第2四半期暫定値では、8月1日時点の現金、現金同等物、有価証券は50億5000万~50億7000万ドルとなる。中間値50億6000万ドルに対して3億5840万ドルは約7.08%で、BTW試算である。ただし、この項目全体を即時利用できる現金と読むことはできない。
会社は約4340万株のeBay株を保有し、公正価値を約49億4700万ドルとしていた。暫定純利益にはeBayのデリバティブと株式投資に関する純利益約2億3800万ドルが含まれ、デジタル資産などの損失約7500万ドルが一部相殺する。市場価格による利益は、小売事業の反復可能なキャッシュフローとは性質が違う。集中保有を換金すれば、価格、税、売却規模の影響を受ける。
売上高は7億8000万~8億ドルと、前年同期の9億7220万ドルを下回る見通しだ。一方、営業利益は1億5000万~1億7000万ドルで、前年の6640万ドルを上回る。店舗閉鎖、フランス事業売却、前年のNintendo Switch 2発売を分けて検討する必要がある。正式発表は9月8日の予定だ。
交換後も残る選択権
14億ドル分を消却しても、2030年債約11億ドル、2032年債約17億ドルが残る見込みである。ゼロクーポンは定期利払いをなくすが、満期請求権や転換価値までゼロにしない。
今回明確になったのは、一つの交換における株数、現金支出、予定日だ。回避した株数、最終的な四半期流動性、将来の転換リスクは依然として未確定である。
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