概要
- Release 16 の試験では、商用 5G ネットワーク上で端末の内蔵アンテナを使用し、屋外での測位精度を30cm 未満に安定して維持した
- Ericsson は GNSS RTK 補正データを 5G コアと RAN 経由で伝送し、端末へのユニキャスト配信とブロードキャスト配信の両方を試験した
事実
Ericsson と MediaTek は、商用 5G ネットワーク上で 3GPP Release 16 の GNSS RTK(Global Navigation Satellite System Real-Time Kinematic)技術を用いた高精度屋外測位のエンドツーエンド試験を完了した。Ericsson によると、端末の内蔵アンテナを使った場合の測位精度は30cm 未満を維持した。
試験では、Ericsson の 5G コア、Ericsson Network Location、無線アクセスネットワーク(RAN)を使って、MediaTek の最新 5G モデム技術を搭載した端末に GNSS 補正データを配信した。ユニキャスト補正は標準的な IP 接続上の LTE ポジショニングプロトコルで配信し、ブロードキャスト補正は Positioning System Information Blocks を使ってセル内の端末に届けた。Ericsson は1月に「5G Advanced Location Services」を発表し、2026年第1四半期から商用利用可能になるとしていた。
評価
この試験で高精度測位を生み出しているのは 5G ではない。ネットワークは、GNSS をより正確にする補正データを配信している。RTK は基準局からの補正データに依存しており、Ericsson は、その補正データが専用の配信経路を必要とせず、標準的な 5G コアと無線機能を経由して端末に届けられることを示した。ブロードキャスト配信では同じ補正情報をセル全体へ送れる一方、ユニキャストでは個々の端末を対象にできるため、通信事業者には2つのデータ伝送手段がある。
BTW の読者にとって有用な検証は、これが一度限りのデモではなく日常的なネットワークサービスになり得るかどうかだ。通信事業者には、互換性のあるネットワーク機能と補正を処理できる端末が必要で、利用が増えても精度を維持しなければならない。Ericsson と MediaTek は30cm 未満の精度でエンドツーエンドの技術チェーンを実証した。商用展開によって、港湾、産業施設、車両、ドローンといった用途に十分な信頼性で提供できるかが示されるだろう。
注目すべき点
注目すべきは、MediaTek やその他の互換端末を使った Ericsson の 5G Advanced Location Services の、通信事業者による商用展開だ。特にブロードキャスト配信を使い、負荷がかかった状態での精度を報告する複数端末のフィールドテストは、デモを超えたシステム性能を試すことになる。港湾、物流、製造、車両分野でのマルチベンダー試験や導入は、実運用での採用を示すさらなる証拠となるだろう。
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