• Fiberhost のネットワークは140万世帯以上に到達し、Inea は小売向けブロードバンドとテレビサービスの顧客を30万件以上抱える
  • Fiberhost は引き続き他のインターネットサービス事業者に開放される見通しで、取引完了にはポーランド競争当局の承認が必要

事実

Deutsche Telekom は、Macquarie European Infrastructure Fund 5 および少数株主から、ポーランドの Fiberhost と Inea の全株式を取得することで合意した。両事業の企業価値は約10億ユーロで、取引にはなおポーランド競争当局の承認が必要である。

Fiberhost は、140万世帯以上に到達するオープンアクセス型の光ファイバーネットワークを運営している。Inea は30万件以上の顧客に小売向けブロードバンドとテレビサービスを提供している。Deutsche Telekom は両社を T-Mobile Polska と組み合わせる計画で、T-Mobile Polska は2018年に初の卸売アクセス契約を締結して以降、卸売パートナーを通じて固定ブロードバンドの提供範囲を広げてきた。

Deutsche Telekom によると、Fiberhost は既存および潜在的なインターネットサービス事業者に対し、光ファイバーインフラへの透明かつ非差別的なアクセスを引き続き提供する。同社は取引完了日や買収後の詳細な投資計画を発表していない。

評価

この買収は、固定ブロードバンド市場における T-Mobile Polska の立ち位置を変えることになる。同社は卸売パートナーからネットワーク利用権を調達することで全国規模の提供体制を部分的に築いてきたが、取引完了後は Deutsche Telekom が140万世帯以上に到達する FTTH ネットワークも所有することになる。これにより、グループは大規模なアクセス網を直接管理し、Inea の既存小売顧客も加わる。

ただし、Fiberhost は他のサービス事業者向けの卸売ネットワークであり続ける見通しだ。そのため、同じインフラが Deutsche Telekom の小売事業と競合 ISP の双方を支えることになる。ネットワーク所有者が、それを利用する小売事業者の一社と同じグループに属することになるため、回線開通、障害修復、設備更新、アクセス条件が重要になる。

BTW の読者にとって重要なのは、Fiberhost が T-Mobile Polska および Inea と同じグループに入った後も、引き続き競合 ISP にサービスを提供すると見込まれる点だ。したがって Deutsche Telekom はネットワークを所有しながら、同時にそのネットワーク上で顧客獲得を競うことになる。取引完了後、卸売アクセス条件、回線開通、障害対応を見れば、この仕組みがどのように機能するかが分かる。

注視すべき点

ポーランド競争当局による審査、承認に付される条件、取引完了の日程を注視すべきだ。完了後は、Fiberhost の卸売条件、回線開通、障害対応、ネットワーク拡張の変更に加え、第三者 ISP との新規契約や更新契約が重要になる。Deutsche Telekom による Inea と T-Mobile Polska の統合計画からは、小売事業が Fiberhost のオープンアクセス事業者としての役割とどのように併存するかも明らかになる。