要約

  • 合併完了時に、Jason Remillardまたは同氏の指定先へ新会社の優先株300万株を発行し、当初は1株につき15票を付与する計画だ。
  • 36カ月後は普通株への転換を仮定した議決権に切り替わる。優先株1株が自動的に1票になるわけでも、その時点で実際の転換を義務付けるわけでもない。

「3年で終了する」と聞けば、特別な権利がなくなる場面を思い浮かべやすい。だがData443とFour Leafの合併契約で終わるのは、優先株に当初付与する15票という仕組みだ。その後の投票には、普通株への転換比率が引き続き関係する。

データセキュリティーソフトを手掛けるData443とFour Leafは、9月2日の共同発表で、8月27日締結の契約に基づくS-4登録書類の準備を進めていると説明した。取引後のNasdaq上場を目指すものの、株主承認、登録の発効、上場承認などが条件となる。合併や上場が完了したという発表ではない。

契約第5.27条によれば、新会社は取引完了時に、Data443最高経営責任者のJason Remillardまたは同氏の指定先にクラスB優先株300万株を発行する。各株は15票を持ち、普通株と同じ投票クラスに属する。配当には参加せず、1株を普通株10株へ転換できる。譲渡には取締役会の事前の書面同意が必要だ。

発行から36カ月で特別議決権は失効し、残る優先株は転換後ベースで議決権を行使する。転換比率が変わらなければ、その基礎は優先株1株に対して普通株10株であり、普通株1株ではない。条文は期限到来時の実際の転換を要求していない。ただし、これだけでは保有者の議決権比率や過半数の有無は分からない。ほかに何株存在するかが必要になる。

資金の問題も分けて見る必要がある。Four Leafの8-K報告書は、少なくとも1,000万ドルのData443の債務を株式へ転換する予定を示す。別に1,000万ドルの転換型PIPE投資を見込むが、その確約書は今後締結するとしている。債務の株式化は負債を変える処理であり、新たな現金の流入そのものではない。投資を見込むという記述も、入金済みであることを示さない。

Data443の6月期四半期報告では、6月末の流動負債が流動資産を約1,966万ドル上回っている。経営陣は資金繰りの制約が事業計画の実行を妨げたと説明する。これは6月末の数字であり、9月の現金残高ではない。それでも、上場への道筋と実際に使える資金を区別する重要性は伝わる。

優先株の発行にはFour Leafの特別委員会の承認、法令やNasdaq規則で必要な株主への付議、登録書類での開示が予定される。契約が設けた手続きも評価の一部であり、無視すべきではない。ただし、予定された手続きを完了済みと扱うこともできない。