概要

  • HD Hyundai Electric の受注残は6月末に85億米ドルへ達し、Jinpan の上期のデータセンター向け受注は前年同期比で4倍超に増加した
  • HD Hyundai Electric は受注残が3年分を超えるとしており、データセンターのプロジェクト計画では設備納入を従来より早い段階で検討する必要が生じている

事実

新たな AI インフラによって電力設備の注文が増えるなか、変圧器メーカーの HD Hyundai Electric と Hainan Jinpan Smart Technology は、データセンター需要が急増していると報告している。Reuters によると、HD Hyundai Electric の受注残は6月末に85億米ドルへ達し、6か月前から23%増加した。同社は、電力事業の新規受注に占めるデータセンターの割合が、今年の6.3%から来年には16%へ上昇すると見込んでいる。

HD Hyundai Electric は Reuters に対し、主要電力設備の生産能力の多くがその期間にわたってすでに確保されており、受注残は3年分を超えると説明した。一部の顧客とは、2030年という先の納入時期について協議している。Jinpan は、2026年上期のデータセンター向け新規受注が前年同期比で4倍超となり、関連する受注残も約3倍に増えたと述べた。変圧器は、送電網の電力をサーバー、冷却設備、施設内の配電システムに必要な電圧へ変換する。

分析

電圧を下げて電力を分配する設備が現地に設置されるまで、送電網への接続だけではデータセンターにとって十分な意味を持たない。HD Hyundai Electric の3年超の受注残は、電気設備工事が始まるかなり前に変圧器を発注する必要があり得る理由を示している。建設が進んでから発注すれば、受電開始日が工場の生産待ち状況に左右される可能性がある。

一方、早期購入にも問題がある。設備がすでに生産段階に入っていても、送電網への接続日、テナントの要件、施設設計は変更される可能性があるため、調達は変動し得るプロジェクト工程と整合させ続けなければならない。Reuters の報道では、変圧器が原因で実際に遅延したデータセンターの数は示されていない。また、HD Hyundai Electric の受注残全体にはデータセンター分野以外の注文も含まれる。

BTW の読者にとって、確保が約束されたメガワット数は工程の一部にすぎない。変圧器の生産枠が数年先まで埋まっている場合、その設備の納入と試運転が、確保済みの電力を施設内でいつ利用できるかを左右する可能性がある。

注目点

HD Hyundai Electric、Jinpan、その他の供給企業について、変圧器の納期、工場の増設、データセンター向け受注を注視する必要がある。送電網への接続日と変圧器の納入日の両方を公表する具体的なプロジェクトがあれば、設備の確保状況が受電開始を遅らせているかどうかを確認できる。受注が増加しているにもかかわらず納期が短縮されれば、メーカーが圧力を緩和できる速さで生産能力を拡大している可能性を示す。