要約

  • Coreroの2026年上期売上高は前年同期比42%増の1,552万ドル、粗利益率は93%だった。一方、期末ARRは2,410万ドルで前年同期比12%増、2025年末からは20万ドルの増加にとどまる。
  • 定額サービスの計上売上も前払い型ライセンスの売上も伸びている。好業績をそのまま継続契約の新規拡大ペースとみなすことはできない。

Corero Network Securityの数字で最初に確認したいのは、どの期間を測っているかだ。9月9日の中間決算で、6月までの半年間の売上高は前年の1,090万8,000ドルから1,552万2,000ドルへ増えた。粗利益率は91%から93%になり、EBITDAも140万ドルの赤字から260万ドルの黒字に転じた。だが、期末の年換算経常収益(ARR)は前年6月の2,160万ドルから2,410万ドルへ12%増えたものの、2025年末の2,390万ドルとの差は20万ドルしかない。

ARRは保守契約、ソフトウエアの定額契約、DDoS Protection-as-a-Serviceの契約価値を年換算した指標である。半年間に認識した売上高でも、純粋なSaaSの売上高でもない。会社が示す継続率96%も、更新期を迎えた既存顧客のARRの維持割合を指し、顧客数の維持率とは異なる。売上高の42%とARRの12%を比べるには、この測定対象の差を先に置く必要がある。

もっとも、伸びた売上を一括して「一時的なライセンス収入」とするのも誤りだ。中間報告書の内訳では、サービスを含む定額契約の認識売上が331万7,000ドルから631万8,000ドルへ増えた。増分300万1,000ドルは全体の増収461万4,000ドルの約65%を占める。ソフトウエアライセンスと機器は314万9,000ドルから521万5,000ドルへ増え、保守・支援は444万2,000ドルから398万9,000ドルへ減った。以前に獲得した契約が今年の売上に反映される一方、今期末の契約基盤の増加幅は小さい、という両立した姿だ。

会計上の計上時点も変わった。一時点で認識する売上は314万9,000ドルから521万5,000ドルとなり、全体に占める割合は約29%から34%に上昇した。会社は2025年上期の財務説明で、ライセンス・機器は大部分を当初に、保守は契約期間に、サービス型防御は契約期間を通じて認識すると示していた。昨年はサービス型への移行がARRを押し上げる一方、当期売上の計上を遅らせた。今年は定額サービスの認識売上が大幅に増え、同時に当初計上分も増えている。

経営陣は粗利益率93%の一因を利益率の高い前払い型ソフトウエアライセンスの構成比上昇と説明し、下期は90~91%に向かうと見込む。2025年下期に投入したソフトウエアのみのCOTS提供形態が選択肢を増やしたとも述べた。ARRの今期中の伸びが比較的緩やかな理由には、契約時期と、定額契約より当初ライセンスを選ぶ顧客の増加を挙げる。ただし、開示された「ライセンスと機器」全額がCOTSであるとは示されていない。

需要そのものには裏付けがある。上期の受注高は14%増の1,430万ドル。期末後には英国の通信事業者向け5年間総額340万ドルの運用サービスと、NeoCloud向け3年間総額50万ドルの初期契約を発表した。これらの総契約額を上期に認識した売上や、既に確定した追加契約として扱うことはできない。

黒字と現金も区別したい。営業活動による純現金流入は11万ドル、資産計上した開発投資は208万2,000ドル、6月末の現金は210万3,000ドルで、前年末の403万4,000ドルを下回る。会社は借入金がなく、200万ドルの当座貸越枠も未使用だと説明する。通期売上高が会社の参照する市場予想2,920万ドルを超え、EBITDAが330万ドルを大きく上回るとの見通しは、まだ達成済みの数字ではない。

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