要約
- CONXは9月1日、HC2 Broadcastingの約75%を取得した。INNOVATEは約25%を残し、3人の取締役のうち2人をCONXが指名する。
- 1億500万米ドルのブリッジローンは合併で消滅した。CONXは最大7500万米ドルの出資も約束したが、クロージング時に拠出された部分は開示されていない。
- INNOVATEはクロージング後18か月、合計4500万米ドルの枠からCONXの持分を購入できる。算定には3億米ドルの基準額と、各行使時点の完全希薄化後持分数が使われる。
- EchoStarは2028年5月29日までに一度だけ通知し、HC2の最大80.1%を取得する手続きを始められる。通知は価格決定と譲渡の出発点であり、取引完了そのものではない。
買収のクロージングは、普通なら条件付きの話を確定した所有関係に変える。CONXによるHC2 Broadcastingの取得もそうだった。ただし、確定したのは「いま誰が支配しているか」までである。
クロージング時のForm 8-Kによれば、CONX Broadcastは約75%、旧親会社のINNOVATEは約25%を保有する。HC2は有限責任会社に転換され、3人の取締役のうちCONXが2人、INNOVATEが1人を指名する。資本と通常の取締役会運営の両面で、現在の多数派はCONXだ。
だが、二つのオプション契約はクロージング後も生きている。一つは最大15%相当をINNOVATE側に戻し得る。もう一つはEchoStarを最大80.1%の保有者にし得る。したがって重要なのは、単に「HC2を買ったのは誰か」ではない。各時点の支配を、どの書類と資金移動で確認できるかである。
75%の取得は、通常の現金売却ではない
CONXの持分は、先に行われた借り換えと、その後の合併を通じて形成された。5月、合併子会社はHC2に1億500万米ドルのブリッジローンを供与した。契約締結時のForm 8-Kによると、資金は利率8.50%と11.45%のノートの返済、そして一部ノート保有者が持つ株式の買い戻しに充てられた。ローンは年8%の現物払い金利を伴い、合併が成立しなければ1年満期と最低現金リターンの仕組みが適用される契約だった。
クロージングでは、このブリッジローンと累積した利息が合併を通じて消滅した。さらにCONXは、クロージング後に最大7500万米ドルをHC2へ出資すると約束している。INNOVATEのクロージング発表は、その一部がクロージング時に拠出されたとするだけで、金額を示していない。残額は調整、費用、補償義務などによって減額され得る。
ここで1億500万米ドルと7500万米ドルを足し、INNOVATEが1億8000万米ドルの売却代金を受け取ったと考えるのは誤りだ。INNOVATEは、EchoStarの別のオプションが行使されない限り、今回のクロージングでは現金収入を受け取らないと説明している。旧債務の消滅、事業会社への資金投入、旧親会社への売却代金は、それぞれ別の勘定である。
INNOVATEは最初の境界線を動かせる
INNOVATEの約25%の持分には、クロージング後18か月有効な購入オプションが付いている。オプション契約では、総額4500万米ドルの範囲内で、一度または複数回、CONXから持分を購入できる。各回の支払額を3億米ドルで割り、その行使日の完全希薄化後持分数に掛けて、移転する単位数を求める。
分母が変わらなければ、4500万米ドルは15%に相当する。しかし複数回の行使の間に完全希薄化後の単位数が変動すれば、当初の持分数に対する累計比率は15%を上回ることも下回ることもある。さらにINNOVATEが特定の資産を売却した場合、例外や運転資金の規定に従いつつ、その手取りの一部をオプション行使に使わなければならない。「オプション」という名前だけで、将来の購入がすべて自由裁量だとは言えない。
取消不能の通知、資金、移転済みの持分がそろうまでは、公開情報上の状態は約75対25のままである。購入権は将来の経路であって、現在の所有ではない。
EchoStarが持つのは放送局ではなく経路だ
より大きな支配権の切り替えを可能にするのがEchoStarの契約である。レター契約は、完全希薄化後ベースでHC2の最大80.1%を取得するため、一度だけ行使通知を出す権利を与えている。期限は署名から2年後の2028年5月29日であり、9月のクロージングで時計が再スタートしたわけではない。
合併後に行使する場合、原則としてEchoStarはCONXがその時点で持つHC2持分をすべて買い取り、80.1%に達する分をINNOVATEから追加取得する。75対25が変わらないと仮定すれば、CONXから75ポイント、INNOVATEから5.1ポイントとなる。これは仕組みを示す計算にすぎない。希薄化、クロージング後の調整、INNOVATEによる先行行使があれば、実際の数量は変わる。
EchoStarの通知を受けたINNOVATEには短い選択期間がある。自らの購入オプションを行使することも、残存持分の一部だけでなく全部をEchoStarに買わせることもできる。このため、一通の通知が複数の売り手の動きを引き起こし得る。
価格も3億米ドルで固定されていない。EchoStar、CONX、INNOVATEは、まずHC2の公正市場価値を協議する。合意できなければ、全米規模の投資銀行が割引キャッシュフローや類似企業比較などを用いて算定する。価値は合併から導かれる株主価値を下回れず、INNOVATEの特定のオプション行使があった場合には3億米ドルの下限も適用される。
それでも、通知とクロージングは同じではない。独立算定の価値が合理的に受け入れられず、当初の通知が誠実に行われていたなら、EchoStarは取引完了を見送れる。その場合は算定機関の費用を負担する。確認すべき証拠は、通知、価値算定、支払い、持分移転の四つに分かれる。
大きな放送網と小さな売上行
INNOVATEによれば、HC2と子会社は全米40州超で260局超のテレビ放送局を運営し、50超のネットワークを配信する。これは発行会社が示す規模であり、すべての免許、局、ネットワークの稼働を第三者が検証した数ではない。
直近のクロージング前業績は、より小さい数字を示す。6月期Form 10-Qでは、Spectrum部門の四半期売上高は540万米ドルで前年同期の570万米ドルから減少し、上期は1070万米ドルで1190万米ドルから減った。主因はネットワークと単一市場の終了で、新規立ち上げが一部を補った。
6月30日時点で、売却目的に分類されたSpectrum事業の資産は1億7500万米ドル、負債は1億4080万米ドルだった。いずれもクロージング前の数字であり、買収価格配分でもクロージング後の公正価値でもない。次に必要なのは、CONX傘下でのHC2の開始貸借対照表、残りの出資、完全希薄化後の持分表、同じ事業範囲で比較できる業績である。
CONXは現在のHC2を支配する。EchoStarは将来支配する可能性のある経路を持つ。この二つを同時に認めることが、完了済みの買収と未行使の権利を混同しない唯一の読み方だ。
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