要約

  • データセンター10棟の売却による純受取額は2億2420万ドルだったが、約1億6800万ドルは割引債務買い戻し用に拘束され、一般目的に使えたのは約5700万ドルだった。
  • 波長サービス収入は前年同期の910万ドルから1480万ドルへ増えた。一方、低採算のオフネットと非中核サービスが減るなか、サービス収入全体は4.3%減少した。
  • T-Mobileからの支払い、IPv4リース回収金、施設売却代金には別々の資金配分順序がある。さらに7億5000万ドルの7%債は2027年6月償還のまま、流動負債に分類されていた。

売却代金には行き先が書かれていた

Cogentは2026年6月29日、データセンターの建物10棟と土地を売却し、2億2420万ドルの純現金を受け取った。売却時の帳簿価額は9340万ドルで、1億3070万ドルの利益を計上した。資産の換金には成功したが、資金の自由化とは同じではない。

6月15日の補足社債契約は、対象となる売却代金を割引債務の買い戻しまたは償還だけに使うよう求めた。少なくとも半分を2032年満期の6.5%担保付債に充て、配当などの制限付き支払い余地を増やすことも認めなかった。

税引き後では約1億6800万ドルが拘束性預金となり、一般目的に使える金額は約5700万ドルだった。契約上の目標は1億7500万ドルと最初の10施設から得る対象代金の大きい方である。将来の旧Cogent Fiber施設売却から、さらに700万ドルを拘束する必要がある。

6月末の現金、現金同等物、拘束性預金の合計は3億6970万ドルだった。このうち1億8600万ドルは使途が限られていた。合計残高は保有額を示すが、どの義務に使えるか、誰が許可するかまでは示さない。

割引買い戻しは債権を消す

拘束された資金は、債務削減には効率よく使われた。6月には1930万ドルを払い、額面2040万ドルの2032年債を平均91.955で買い戻した。7月には1億0670万ドルで額面1億1840万ドルを平均90.071で取得した。

7月末までに約1億2600万ドルの現金が、1億3880万ドルの元本を消した。平均価格は90.348で、計上済みまたは見込みの利益は計1340万ドルとなる。額面を下回る買い戻しは、一ドルの支出で一ドルを超える債権を消し、将来利息も減らす。

ただし、これは通信サービス収入ではない。市場価格が額面を下回る間だけ成立し、買い戻しが終わるか価格が上がれば繰り返せない。長期的な価値は負債が小さくなる点にあり、別の階層で同額を借り直せば全社の改善は薄れる。

補足契約は交換条件も示す。一定の担保付レバレッジ枠を4.00倍から4.75倍へ緩める一方、売却代金を固定し、特定の光ファイバーIRUを保証人グループの外へ移すことを制限した。資金調達の余地と引き換えに、債権者は資産の所在を厳しくした。

1ドル買収を支えた7億ドル

2023年のSprint固定網買収は、1ドルという価格だけでは理解できない。運転資本調整によってクロージング時に6110万ドルを支払い、2024年4月には追加で500万ドルを払った。

さらにT-MobileはIPトランジット契約に基づき、54か月で7億ドルをCogentへ支払うことにした。最初の3億5000万ドルは12か月、残りは次の42か月に配分される。2026年上期の受取額は5830万ドルだった。

Cogentはこの7億ドルを、経営難の事業を取得するためにT-Mobileから受け取る買収対価と判断している。コストを落とし、新商品を育てる期間の損失を和らげる資金であり、終わりのない自然増収ではない。

買収時の月次収入3950万ドルのうち、81.7%はオフネット、11.9%は非中核、オンネットは6.3%だけだった。Cogentは低採算のオフネット顧客を解約し、非中核サービスは維持するものの積極販売していない。

古い売上の減少には意図がある。しかし評価すべきなのは、その減少自体ではない。T-Mobileの支払いが終わる前に、自社網のオンネットと波長サービスが、より良い採算で減少分を置き換えられるかである。

波長の成長は全体をまだ押し上げていない

第2四半期のサービス収入は2億3560万ドルで、前四半期比1.5%、前年同期比4.3%減った。オンネットは1億3540万ドルで前四半期からほぼ横ばい、前年同期比2.3%増だった。オフネットは17.3%減の8450万ドルとなった。

波長サービスは、新しい収益源として最も明確な進展を見せた。収入は910万ドルから1480万ドルに伸び、米国、メキシコ、カナダの1137拠点で提供された。取得した光ファイバーが、保守費用だけでなく販売可能な商品に変わり始めた。

調整後EBITDAは7110万ドル、前四半期比1.3%増、利益率は30.2%だった。一方、上期の社債利払いは前年の4800万ドルから6120万ドルに増えた。商品転換は進んでいるが、それを支える資本コストをまだ十分に上回ってはいない。

配当削減は時間を作った。四半期配当は2025年第4四半期に一株0.02ドルへ下がり、2026年第2四半期の支払額は230万ドルだった。前年同期は4960万ドルである。取締役会は現金、投資、債務制限など複数要因を挙げており、単一の条項だけが原因とは断定できない。

IPv4の現金は先に信託口座を通る

倒産隔離されたCogent IPv4 LLCには、額面計3億8040万ドルのIPv4収益担保債がある。2億0600万ドルは7.924%で2029年5月が予定返済日、1億7440万ドルは6.646%で2030年4月が予定返済日である。

担保には、同社へ拠出されたIPv4アドレス、顧客リース、売掛金、関連資産が含まれる。回収金はいったん受託者の分別口座に入る。毎月の利息、費用、管理報酬を払った後の残額だけがCogentへ移り、使途制限のない現金になる。

債務返済余力が基準を割れば、返済が加速することがある。貸し出されているアドレスの比率が所定水準を下回れば、回収金は元本返済に回る。一定の場合、債権者は担保資産の全部または一部の売却を指示できる。

2025年4月発行の純調達額1億7050万ドルのうち、当初7260万ドルが拘束された。解放には月次レバレッジと返済余力の条件がある。残額を解放する期限は2026年10月で、未達ならその資金は元本の期限前返済に使われる。

これは不履行や資産売却を予告する材料ではない。IPv4が収益と担保価値を持っても、その現金を親会社がすぐ自由に使えるとは限らないことを示す。登録、経路利用、リース履行、担保管理、残余資金は別々の層である。

2027年の壁は別に残る

6月末には、4億5000万ドルの2027年債と3億ドルの2027年ミラー債が残っていた。いずれも金利7%、満期は2027年6月15日である。残存期間が一年を切ったため、帳簿額約7億4630万ドルは流動負債へ移った。

経営陣は市場環境などを条件に、2026年第3四半期の借り換えを見込んでいた。確認できた最新の一次資料は、完了したとは述べていない。追加債務が必要になる見込みで、条件が受け入れられなければネットワーク拡張、営業投資、分配を縮小する可能性も記載した。

施設売却代金の大半は別の債務を割引で減らす。T-Mobile支払いには終期がある。IPv4回収金は先に専用の債権者へ流れる。2027年の借り換えは、新しい投資家、金利、満期、担保、制限を伴う独立した判断である。

Cogentは特殊な買収から長距離自社網と成長する波長商品を作り、割引買い戻しで元本も減らした。次に必要なのは、大きな現金残高ではない。すべての優先順位を通過した後にも、ネットワークが自由に使える現金を残せるという証明である。

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